発熱外来とは
発熱の症状というのは、感染症、膠原病、甲状腺疾患などの代謝性や悪性疾患に伴う腫瘍熱など原因は多岐に及びます。
しかし近年社会問題となっている、新型コロナウイルス感染症の患者様にもよくみられる特徴でもあります。そのため同症状を訴える患者様については、同ウイルス感染拡大の予防という観点から来院前にあらかじめ受付にてお電話をしていただくことを徹底しています。
なお、受付時に当院では検温や手の消毒をお願いしていますが、何の連絡もなくご来院し37.5度以上の発熱があった場合は、診察をお断りさせていただくこともあります。
電話後の対応について
患者様からお電話を受けた当院スタッフが状況を伺います。その後、受診方法などを説明しますので、その指示に従ってください(その際は当院の感染対策にご協力ください)。
なお当院では、感染症の方のために隔離室を設けていますので、通常診療の患者様と動線を分けて診察を行っております。ご来院時は、正面入り口ではなく、裏口よりインターホンでお知らせください。場合により、お車などでお待ちいただくことがあります。
新型コロナウイルス感染症の有無を検査する必要があると判断すれば、抗原検査(看護師により鼻咽頭ぬぐい液検査や唾液による検査)を実施いたします。簡易キットでの抗原検査については15分程度で結果が判明しますが、PCR検査(自費)などを希望された場合は2~3日程度お待ちいただくこともあります。
PCR検査(自費)
PCR(Polymerase Chain Reactionの略語で日本語に直すとポリメラーゼ連鎖反応)検査とは、試薬や酵素といった専門的な薬品を使ってごく少量の遺伝情報(DNAやRNA)を大量に増やす手法のことで、ターゲットのRNAやDNAが生きていても死んでいても検出されます。既感染でも検出されるので、必ずしもコロナウイルス感染の有無を調べるものではありませんが、当院でもコロナウイルスのPCR検査を行えます。
ただ基本的に保険適用による検査ではなく、全額自己負担となる自費検査になります。具体的には、新型コロナウイルス感染者との濃厚接触の疑いがなく、同ウイルス感染者特有の症状がないが検査を希望された方が対象となります。同検査による検体の種類としては、鼻咽頭ぬぐい液や鼻腔ぬぐい液、唾液、痰がありますが、当院では唾液による採取となります。
診察時に唾液を採取する専用の容器をお渡ししますので、そこに必要量(1~2 mlほど)の唾液を入れていきます。なお同検査直前での飲食、あるいはマウスウオッシュの使用は、正しい検査結果が得られない可能性がありますので控えるようにしてください。採取後は、医師や看護師から今後の流れについての説明や患者様からのご質問を受けるなどして終了となります。
採取した唾液は、外部の検査機関に提出し、そこで陰性あるいは陽性の判定をしていきます。この場合の陽性とは、唾液中に新型コロナウイルスの遺伝子が含まれるとされるRNAウイルスが検出されたケースを言います。同ウイルスを検出されなければ陰性です。
検査結果については、2~3日程度かかりますので、判明した際はお電話にて、お知らせいたします。
PCR検査:13,000円(税込み)
抗原検査
抗原検査は、ウイルス特有とされるタンパク質が検出されるかどうかを調べていくもので、感染者になると唾液や鼻の奥などの粘膜に存在するとされるウイルス特有のタンパク質がみられるようになります。これが検出されると陽性と判定されます(検出されるには、一定以上のウイルス量が必要です)。
当院では、鼻の奥まで届く、長い綿棒を用いて鼻腔拭い液を採取していきます。採取時は、挿入した綿棒を鼻の粘膜壁の部分にこすりつけるために何度か回転させるため、違和感や少しの痛みがみられることもありますが、激痛ということはありません。
同検査の利点は、判定に要する時間が短いということです。15~30分程度で結果が出る(陽性:現在感染している、陰性:感染していない)ようになります。なお、PCR検査の場合は、判定まで数時間程度が必要とされ、さらに検査機関へ搬送する時間もかかります。また検査費用につきましてもPCR検査よりも低予算で受けることができます。
ただ、PCR検査と比較すると感度や特異度が若干低いことから偽陰性(判定は陰性でも実際は陽性であるケース)となる可能性もあります(ちなみに陽性と出た場合は、陽性であることがほとんどです)。そのため、同検査で陰性という結果が出たとしても陰性を証明するということにはなりません。PCR検査も同様で偽陰性(判定は陰性でも実際は陽性であるケース)となる可能性はありますので、陰性を証明するということにはなりません。
検査を受ける際の注意点
抗原検査を希望される方は、まずお電話にてご連絡ください。その際に日時をご予約いただき、併せて注意点などのご説明もいたします。
検査当日は、できるだけ院内での感染リスクを減らせるよう、密にならない程度の環境調整を行うほか、患者様や受診者の方にはマスクの着用と、アルコール消毒液にて手指の消毒もお願いしています。検査時間は、鼻腔拭い液を採取する数分で終了しますが、結果は30分程度で判明しますので院内もしくはお車などでお待ちいただきます。その後、受付にて検査結果が記載された用紙を渡されて終了となります。